shiroyakoの日記

思いついたことを徒然に

20191006:「戦争しないとどうしようも」…???

こんにちは、白野狐です。

 

今回のお題は、実は書こうかどうか迷ったのですが、そうこうしているうちに時宜を失してしまいました。旧聞に属するお話ですが、指摘しておかないとどうにも気分が悪いので一文にしておきます。「てんかのいくさ」には触れないという「最初のお約束」もありますので、ひとつひとつ迷いながらですがまとめてみます。

 

北方領土とか竹島について、この問題(?)を解決するために「戦争しないとどうしようもなくないですか」風の発言をなさった方がおられました。個人的には、行政の都合で民間の人が巻き込まれて生命や財産を失うことは正しくないと思いますから戦争などしたくないのが本音ですが、こちらの話を進めてしまうと「てんかのいくさ」に触れないという最初のお約束に触れますから、本音の吐露にとどめておきます。

 

今回、指摘しておきたいのは、「北方領土あるいは竹島を取り戻すためには戦争するしかない」という言明をしたのであれば、それは「正しくない」ということです。これは「道義的に」(も正しくないと思いますが)という意味ではなく「常識的に」ということです。「常識的に」より正しい表現であれば「戦争する」ではなく「戦争して勝つ」と言わなくてはならないでしょう。この「して勝つ」ということの方が圧倒的に重要かつ困難だと私は思うのですが、その点について、この発言なさったお方がどのように考えておられるのか、新聞か何かに書かれていたのかしら、少なくともこちらの耳には届きません。

 

この「戦争して勝つ」の「勝つ」の部分を省略したのはなぜか、よくわかりませんが次のようなことでしょうか?

 

① 単に言い忘れた。

② あえて言わなかった。

③ 「勝つに決まっているでしょ」と思っている。

④ 結果に関係なく「参加賞」その他の形で取り戻せる。

 

③と④は普通に考えてなさそうですし、①では重要性の認識に一般の人との乖離がありすぎます。かといえ②では、その意図が謎すぎてどう解釈すれば良いのかわかりません。というわけでかなり無理矢理解釈すれば③でしょうか、ロシアを相手に局地戦に抑えつつ勝つなんてどうすれば良いのか見当もつきませんが、自衛隊ならできるのかしら。

 

自衛隊の強さについては、私は評価できる立場にありませんが、F35だのイージス・アショアだの、航空母艦を持つだの、少なくとも「装備が悪いから負けちゃいました」なんて言い訳は通らないような装備の充実ぶりですから、あとは「人的要因」しかありません。これについては、自衛隊が「日本人の公務員で構成された集団」であるという属性から、「日本人」かつ「公務員」の行動様式および行動パターンを観察あるいは歴史の勉強によって推察するほかありません。

 

この問題が厄介な点は、このようにして「自衛隊の強さ」の見当はついても(これもかなり難しいと思いますが)、「戦争」には当然「相手」がいて、つまり相対的なものですから、相手のことも知らなくてはならなくて、これは孫子も指摘している通りです。

 

今回、指摘したかったことは、この最も重要かつ困難な「勝つ」という部分を省略したまま話があらぬ方向に進んでしまうのではということについて心配になりました、ということです。幸い、あのあとこの話には大した進展もなく忘却の彼方へと消えつつあるようですので、そのままほっておくのが正しい態度だったのかもしれません。あえて寝た子を起こす真似をしなくてもとも思い、書くことに躊躇していましたが、またいつ同じようなことがないとも限りませんので、思い切って一文にしました。

 

この世界で生きていく皆様にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

 

BGM:バッハ 小フーガト短調

   ピーター・ハーフォード:オルガン